動物とふれあうことのメリットはどんなことがあげられるでしょうか?
障がいのある方々も、ひとりひとりちがいます。
多動で部屋の中をずっと歩き回ってたり、部屋を出ていかれる方、ジャンプや急に大きな声を発する方、障がいによってはふれあう手の動かし方がぎここちない方など様々です。
そんな中で、わんちゃんとのごあいさつのしかたからお話させていただいて、まずは支援員さんとデモンストレーションをしてみてもらいます。それから、ひとりずつ希望するわんちゃんとふれあい、その後は、他のわんちゃんともふれあいます。
気がつけば、わんちゃんのまわりには4~5人の方々がいて、それぞれのふれあい方でわんちゃんとふれあっています。
1回目のドッグセラピーでは、実際のわんちゃんたちとどんな風に接するのか、どんな反応になるのか私たちも含め、支援員さんたちは日頃とは違う彼らの様子をみています。多動の方が、わんちゃんと1回ふれあうだけでピタッと動かなくなり、穏やかにしているということはありません。
その方によって回数は違いますが、回数を重ねるたびに、ほんとに少しずつ少しずつ変化が表れてきます。
多動の方は、部屋を何回も出たり入ったりしていたのが、回数が減り、気がつけばわんちゃんの横に一緒に寝そべっていたり、その日によってはジャンプを1回しかしなかった日もあります。
ドッグセラピーで訪問した際、多動の彼が玄関まで笑顔で出迎えてくれたと支援員さんにお話すると、この2~3日は絶不調なんですと伺った際にはびっくりしたものです。わんちゃんが来ることを彼なりに感じとって待っていてくれていたんだろうかと。
また違う方は、家の近くではわんちゃんを見るとパニックになり大変だったそうですが、2年ぐらい経ったころに、ご家族よりパニックにならなくなったとご報告を頂いたと教えていただきました。ご報告くださったのは、ほんとにパニックになって困っておられたんだと感じました。
わんちゃんも、パニックになると、どこに走り出すかわかりませんし、ものすごいスピードであっという間です。走り出して道路に出てしまって交通事故にあうかもしれないという恐怖があります。
このご報告を頂けたことはほんとに今の児童デイサービスのドッグセラピーにもつながることができたんです。
そして、わんちゃんが苦手な方ももちろんおられます。苦手は方は前日までに支援員の方に聞いていただき、別室対応や大丈夫な距離を保ちつつドッグセラピーの時間を過ごします。
専門学校の学生さんが対応してくれる時もありましたが、回数を重ねていくにつれ、部屋のドアの隙間から覗いていたり、ドアが開いてると、気がつけば同じ空間で過ごしていることも。あるときはわんちゃんの似顔絵を描いてくれたり。
その彼も5年、6年と少しずつ同じ空間にいる時間が長くなり、7~8年経った頃には、さわれないけれどお散歩をしたいとリードをもって参加されています。
彼らの1番のリクエストはお散歩です。
初めてのお散歩では、自分のペースで歩いて、わんちゃんの首が引っ張られることを見て、少しずつわんちゃんの歩調にあわせるように、気遣うようになっていきます。
そして、すこし気候が暑くなってきたころ、園庭でのお散歩で日が当たる場所で順番を待っていると、日陰にいる彼女から、
「そっち暑いから、こっちおいで~」と気遣う言葉も。
今では、ふれあいもお散歩も支援員さんたちが順番を決めて、その順番を待つことができるようになり、わんちゃんとのふれあいを通してソーシャルスキルトレーニングもできるようになってきました。
ドッグセラピーの感想も、感想を言ってくれそうな方に発言してもらっていたのが、手をあげて感想を言ってくれるようになりました。
障がいのある方がたのドッグセラピーはその方によってちがいますが、必ず変化は見られます。
ストレスが減る
ほっとする
やさしい気持ちになる
リラックスできる
わんちゃんは裏切らない
わんちゃんが甘えてきてくれる
人の心を動かす力がある
言葉がなくても伝わる
何でも話せる・話を聴いてくれる
外見で判断・差別しない
無条件の愛を与えてくれる
慈しむ心を育ててくれる
ありのままの存在を認め合うことができる
社会福祉法人 療育・自立センター すばる北斗作業所さま
大阪聴覚障害者福祉会 なかまの里さま
生活介護事業所 ぽかぽかのおうちさま
特定非営利活動法人 枚方市障害者事業協会 グリーンハウスさま